「文系出身なんだけど、第二種電気工事士に合格することがでるのだろうか・・」
「やっぱり電気工事士は理系の人が受ける試験だよね?」
文系出身の人、学生時代に理数系が苦手だった人は、こんなことを考えがちです。
「建築士」や「技術士」のように、卒業している学科が問われる資格とは違い、第二種電気工事士は、受験資格が不問の国家資格です。
ですから、非理系の人も数多く受験しています。
今回は、そんな文系の方のために、文系の方のための第二種電気工事士の攻略法について詳しく解説します。
要点まとめ
- 文系の人に大切なのが数学力
- 第二種電気工事士で必要な数学は限定的
- 本当に苦手なら、思い切って計算問題を捨てるのも有効
目次
第二種電気工事士の試験科目について
まだ、第二種電気工事士について、ほとんど何もしらない人のために、ざっくりと試験科目についてご説明します。
第二種電気工事士の試験科目は、
- 筆記試験
- 技能試験
の2つがあります。
この2つの科目を両方合格して、初めて資格を得ることができます。
次から、それぞれの科目についての対策をご説明していきます。
第二種電気工事士の詳しい試験概要について知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。
文系の人ための筆記試験対策
文系の方と理系の方の最も大きな違い、それは「数学力」です。
そして、文系の方が不安に思っている最も大きな理由の1つでもあります。
なのでまず、第二種電気工事士に必要な数学力について解説します。
第二種電気工事士に必要な数学力はそれほど高くない
はっきりいって、第二種電気工事士に必要な数学力はそれほど高くないです。
具体的には
- 分数の計算
- 三角関数
- 電圧・電流・抵抗の関係(オームの法則)
この3つがわかるようなら、全く問題ありません。(厳密に言うとオームの法則は理科の知識)
たとえ、3つ全てわからなくても分数の計算さえできれば、2〜3日数学を勉強すれば、第二種電気工事士に必要な数学知識は、十分に手に入ります。
暗記問題を先にやる
もし先程の3つがわからないようなら、先に暗記科目を勉強してしまいましょう。
筆記試験の範囲と問題数を下記します。
- 電気に関する基礎理論(約5問)
- 配電理論及び配線設計(約6問)
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具(約7問)
- 電気工事の施工方法(約5問)
- 一般用電気工作物の検査方法(約4問)
- 配線図(約20問)
- 一般用電気工作物の保安に関する法令(約3問)
この内、計算問題ではない問題は2〜7、つまり暗記科目だけで45問あります。
筆記試験の問題は全部で50問なので、約9割が暗記科目なのです。
なので、数学に苦手意識があるなら、計算問題である1の基礎理論を後回しにしてしまいましょう。
電気工事士で問われる数学力は専用の参考書を買おう
第二種電気工事士で必要とされる数学の知識は非常に限定的です。
なので、わざわざ高校数学の教科書や参考書で勉強をするのは効率がよくありません。
第二種電気工事で必要な数学の知識は、専用の参考書を買うのが効率的です。
幸運なことに、今は電気工事士用の数学参考書が多数あります。
これらの中から、自分に合いそうな参考書を1、2冊買って勉強することをおすすめします。
無理なら計算問題を無視するのもあり
先程もお伝えしましたが、第二種電気工事士の筆記試験で、計算を問われる問題は少ないです。
計算問題は、全7科目のうちの「電気に関する理論」で出題される5問(10%)だけです。
なので、思い切って数学を全部捨てるという方法もあります。
数学の予備知識が全くないなら、むしろこの方法をおすすめします。
5問だけために貴重な時間を使うよりも、その分他の科目の強化や、技能試験に費やした方が効率的です。
文系の技能試験対策について
技能試験は、実際に自分で電気回路を作ります。
そう言われると、「自分にそんなも作れるのだろうか」と思われる方もいるでしょう。
しかし全く心配ありません。
その理由を3つ説明していきます。
安心材料1.試験問題は事前に公開される
「技能試験は、実際に電気回路を作ります」
と言われると、少し不安になると思うのですが、そんな心配はありません。
なぜなら、技能試験の問題は事前に候補問題が公開されるからです。
候補問題は、毎年1月に13問公表され、試験当日は、これらの中から1問出題されます。
なので、極論をいうと、13問の回路の作り方を覚えてしまえば合格できます。
安心材料2.技能試験の合格率は70%
上記は過去35年間の技能試験の合格率の折れ線グラフです。
これを見ればわかると思いますが、ここ約15年の技能試験の合格率は70%です。
つまり、受験者10人のうち7人が合格するのです。
こう言われると、少し自信が出ませんか?
この辺の詳しい考察や解説は、この記事で詳しく書いていますので、興味があれば読んでみてください。
安心材料3.電気回路を作っても感電しない
私が現在働いている職場の文系の後輩から、以前こんな質問をされました。
「電気工事士受けようと思っているんですけど、技能試験で感電とかしないですか?」
私は全く考えたことがなかったのですが、この後輩は、感電が怖くて受験をためらっていました。
もしかすると、この記事を読んでおられる方の中にも、同じ不安を抱えている方がいるかもしれませんのでここではっきり名言しておきます。
技能試験の回路では、実際に電気を流さないため、感電する心配は一切ありません。
安心して受験してください。
文系出身の人の第二種電気工事士の勉強方法3選
ここでは、文系出身の方が実際に勉強するための方法について解説していきます。
第二種電気工事士の勉強法は、大きく3つあります。
- 独学
- 講習会
- 通信講座
それぞれ解説していきます。
独学で勉強する方法
文系出身という理由で独学の勉強に差が出るのは、数学の基礎知識のみです。
なので、先程お伝えした3つの数学知識があるならば、理系の方と差がなく学習できます。
独学で勉強しようと思っている方は、独学の勉強法の記事を参考にしてみてください。
講習会で勉強する方法
講習会は、数日〜1週間で重要なところを集中的に学習するものがスタイルのものが多いです。
ですから、講習会だけの学習で合格までするのは難しいです。
おすすめは、基本的な勉強を独学で行いつつ、苦手分野をスポットで受講する方法けがおすすめです。
また、講習会は、民間のものと公共のものがあります。
基本的に公共の講習会の方が安く、無料のところもあるので一度お近くの講習会を探してみてはいかがでしょうか
通信講座で勉強する方法
文系の方で、数学に苦手意識を持っている方は、通信講座で学習する方法も割とおすすめです。
中でもユーキャンは、標準学習時間が8ヶ月と長いですが、完全初心者からでも合格できる教材とサポートが揃っています。
また、ユーキャンなら、「基礎数学/公式集/用語集」の副教材が付いているので、数学の参考書を買う必要もありません。
もし通信講座に興味があるなら、通信講座比較一覧の記事も参考にしてみてください。
まとめ:「文系だから」という苦手意識を払拭すれば合格できる
文系の方が、第二種電気工事士に受かりにくい理由は、理系でないからではありません。
「文系だから、受かりにくい」と思っている、その気持そのものが最も大きいです。
なので逆に「文系だから」という苦手意識を払拭するだけで、合格にぐっと近づきます。
実際、電気工事士の試験の合格率は、筆記試験も技能試験も5割を超えています。
2人に1人以上合格するわけですから、隣に座っている受験生よりもちょっと勉強すれば合格できるのです。
また、これは電気工事士試験に限ったことでないのですが、資格試験を受けている受験生の半数以上はまともに勉強せずに受験しています。
なので、勉強さえすれば合格すると言い換えることもできます。
この記事で、「文系だから無理」という苦手意識を払拭できるだけの解説はしたつもりです。
少しやる気が出た今、1歩踏み出して勉強を始めてみませんか。